「せっかく注文住宅を建てるなら後悔したくないな」
「業者も決める際は、何に気をつけたら良いんだろう?」
納得できる家造りには家を3回建てる必要があると言われますが、多くの人には難しいです。しかし、適切な情報収集により初めての家づくりでも満足のいく住まいを実現可能です。
本記事は2025年春に注文住宅を建てた私・松尾しほが実際に経験したことや周囲の方の後悔事例をもとに解説します。さらに具体的な対策と10の重要ポイントを紹介します。
この記事を読むことで、家づくりで注意すべきポイントが明確になり、注文住宅における後悔を減らせるでしょう。一生に一度の大きな買い物だからこそ後悔しない家づくりを実現し、理想の住まいで快適な生活が送れます。
注文住宅で後悔する人の特徴とは?
家づくりで後悔する人にはいくつか共通する特徴があります。私は調べすぎて軸がブレて混乱しましたが、特徴を理解することで後悔を避けられました。
ここでは、注文住宅を建てて後悔する人によく見られる5つの特徴を解説します。
優先順位が明確ではない人
注文住宅の設計前には家族と希望の優先順位を決めておくと、理想の住まいに近づけることができます。
こだわりをすべて取り入れるのは予算的にも設計的にも困難です。優先順位をつければ予算とバランスが取れます。家族の意見を集約すれば後の不満を防ぎやすいです。
我が家は予算を最優先した結果、いくつかの点で妥協しつつも満足のいく家を建てられました。もし予算超過していたら心残りになっていたでしょう。
家族間で意見をまとめて重要な項目に優先順位を付けることが、後悔のない家づくりには欠かせません。
予算計画が曖昧な人
注文住宅において予算計画が曖昧だと、将来に大きな後悔を招くことがあります。
予算を抑えすぎると、希望する設備や耐久性の高い素材を諦めることになります。私の賃貸住宅時代は断熱性能の低い窓や壁だったため、暖房費が予想以上にかかりました。
逆に予算を超過してしまうと住宅ローンの返済負担が大きくなり、日々の生活を圧迫します。予算の設定が適切でないと、住まいの質や生活に影響を及ぼすのです。
適切な予算設定のためには複数のハウスメーカーから見積もりを取ることが重要です。各工程の費用を把握することで予算内で満足度の高い住まいづくりが可能になります。
リサーチしすぎて軸がブレている人
家づくりでは、情報を集めすぎると判断がブレて完成後の後悔につながりやすいです。
選択肢が増えるほど、他人が絶賛する間取りや設備に惑わされがちです。人気の要素が生活に合うとは限らず、自分の価値観が不明確だと満足度が下がります。
筆者である私も、SNSで様々な事例をチェックして混乱した経験があります。しかし、家族で最優先する方針を決めた結果、理想の家を実現できました。
情報収集は必要ですが、過剰な情報は判断力を鈍らせ後悔を招きます。自分たちの優先事項を明確にして、情報に惑わされすぎないことが大切になります。
何でも自分でやろうとしている人
注文住宅づくりで失敗しないためには、全てを自分だけの判断で進めないことが大切です。
家づくりには建築・設計・法律など多岐にわたる専門知識が必要だからです。
私も初めは自分で間取りを考えていましたが、プロと話すと導線や収納の工夫など、見落としていた視点が多くありました。
理想の家を実現するためには、自分の希望を形にできる専門家の力を借りることが不可欠です。相性の良い建築士や設計士、信頼できる工務店やハウスメーカーの担当者を根気よく探し続けましょう。
伝えたいことが整理されていない人
自分の要望を整理できていない人は、注文住宅で後悔しやすくなります。
住まいへの要望は感覚的で抽象的なため、具体的に伝えることが難しいです。抽象的なままだと施工会社との認識の食い違いが生じます。
例えば「何となく暖かい家」と曖昧に伝えるだけでは具体的な仕様を示せません。夫婦間で要望が食い違うケースも多いです。
私は自分の理想に近い家の写真を集めて打ち合わせの時に持って行きました。伝えたいことを家づくりノートなどで視覚化してみましょう。イメージ写真を活用しながら優先順位をつけて明確に伝えることが後悔のない家づくりの鍵です。
注文住宅で後悔しないための10のポイント
注文住宅の家づくりでは、失敗しないために押さえておくべきポイントが沢山あります。私は特に土地選びに苦戦しましたが、専門家のアドバイスにより納得のいく土地選びができました。
ここでは私の実体験を交えながら、注文住宅で後悔しないための具体的な10のポイントを詳しく解説します。
資金計画と見積もりの精査
注文住宅では全体の資金計画と見積もりの精査が重要になります。
甘い見積もりや見落とし費用で予算超過し、将来の家計やローン返済を圧迫する恐れがあります。理想の家を建てるには全体像の把握が大切です。
実際に私が建てたハウスメーカーの資金計画の大枠の項目は以下のとおりです。
- 土地購入費
- 土地購入費用
- 仲介手数料
- 固定資産税
- 売買契約印紙代
- 建築総工費
- 建物本体
- 付帯工事費(造作家具、照明、カーテン、外構、その他)
- 諸経費
- 登記関係
- 銀行関係
- 印紙・保険
- 申請・インフラ他
住宅資金計画には土地購入費や建築工費のほか、見積もりに含まれない付帯工事費などの隠れコストがあります。また、項目には無いですが補助金を活用することで予算を抑えられます。
詳細な資金計画と見積もりの徹底した確認が、後悔しない家づくりの鍵です。
土地選び
土地選びでの失敗を避けるには、慎重な検討と情報収集が欠かせません。
土地は一度購入すると変更が困難です。失敗すると長期間にわたって家族の生活に支障をきたす恐れがあるのです。
例えば、周辺環境の調査を怠ったために騒音問題に悩まされることがあります。また、ハザードマップを確認せず水害リスクの高い土地を購入してしまうケースもあります。
土地選びでは専門家のアドバイスを得ながら徹底的に調査することが重要です。
慎重なハウスメーカー・工務店選び
家づくりのパートナー選びは満足度を左右する重要な決断です。
誤ると予算超過や品質問題、アフターサービス不備が生じます。各社の特徴や得意分野は異なるため、各ハウスメーカーの特性を把握することが重要です。
それぞれのハウスメーカーの特徴は以下のとおりです。
価格 | 設計自由度 | 品質 | 保証 | デザイン | その他 | |
---|---|---|---|---|---|---|
大手 ハウス メーカー | 高め | 高い | 一定 | 手厚い | 高級感 | ・知名度 ・将来的な 資産価値 |
工務店 | 低め | 高い | バラつき | 会社による | 希望を反映しやすい | 工期が長め(融通がきく) |
建築 事務所 | やや高め | 高い | 設計力は高いが施工は 別業者 | 設計とは別に施工業者の 保証 | 非常に高い(独自性も 強い) | ・狭小地、 変形地対応 ・完全 オーダー メイド住宅 |
パワー ビルダー | 中間 | 高い | バラつき | 会社による | 画一的で シンプル | コスパが良い |
大手ハウスメーカーは品質が安定していますが高価で、工務店は安価ですが品質に差があります。パワービルダーはその中間に位置し、コストパフォーマンスを重視する方に適しています。
我が家は建築事務所と連携している地域密着型ハウスメーカーを選びました。デザイン性もありながら保証も手厚く、満足しています。
家づくり成功の鍵は、自分のニーズに合った会社選びです。信頼関係と相性を重視し、総合的に判断して適切なパートナーを選びましょう。
間取り・導線設計
日々の生活の快適さは適切な間取りと、導線設計にかかっていると言っても過言ではありません。
間取りと導線は効率性に直結するため、家事導線が悪いと毎日の作業が非効率になります。家族の生活スタイルに合わない間取りはストレスの原因になります。
我が家では洗濯作業が一箇所で完結するランドリールームや、行き止まりのない回遊性のある設計を取り入れました。
適切な間取りと導線設計こそが日々の暮らしを快適にし、家づくりの後悔を防ぐのです。
生活変化を見据えた設計
注文住宅で後悔しないためには、家族構成やライフスタイルの変化に対応できる柔軟な住宅設計が重要です。
家族のライフステージは時間とともに変化していくため、変化に対応できない間取りは不便さや高額リフォームの原因になります。
可動式間仕切りや拡張可能な空間設計、将来の設備更新を見越した配管配置などの工夫で対応することが可能です。
変化に柔軟な住宅は長期的な満足度を高め、経済的負担も軽減します。
土地に合わせた気密性・断熱性能
土地の特性や地域の気候に合わせた断熱設計は、健康で快適な住環境には欠かせません。
日本は南北に長く、地域によって必要な断熱性能が大きく異なるためです。
高気密・高断熱住宅が健康に良いとされる主な理由は次のとおりです。
- 健康・快適性の向上
- ヒートショックのリスク軽減
- 結露、カビ、ダニの発生抑制とアレルギー対策
- 室内空気質の維持
- 乾燥の軽減とウイルス対策
- 経済的なメリット
- 冷暖房費用の削減
- 住宅の資産価値の維持・向上
- メンテナンスコストの低減
- 補助金の活用
- 建物の耐久性向上
- 結露による劣化の防止
- シロアリ被害のリスク低減
- その他
- 防音効果
- 室内の温度ムラの解消による身体的ストレスの軽減
高気密・高断熱住宅はヒートショック防止、結露・カビ対策、冷暖房費削減になります。
私は寒暖差が大きい長野県で住宅を建てました。高気密・高断熱住宅に住む前の借家では室内の温度ムラが激しく、結露や皮膚トラブルに悩まされていたのです。しかし、高気密・高断熱住宅に引っ越してからは温度差がなくなり、結露も皮膚トラブルも改善しました。
地域気候に適した高気密・高断熱住宅は、健康で快適な暮らしを実現する望ましい選択の一つと言えます。
余白を残す収納
収納に余白を残すことは日々の出し入れのストレスを減らし、暮らしに余裕を与えます。
子どものおもちゃや学用品は成長とともに増減するため、余白のある収納は対応しやすく、精神的な余裕にもつながるのです。
例えば、我が家は可動式オープン棚で子どものおもちゃの片付けをスムーズにしています。キッチン収納では、7割の余白を残した収納でストレスなく料理を楽しんでいます。
余白のある収納は暮らしに柔軟性をもたらし、家族の変化にも対応できる理想的な暮らしを叶える要素です。
設備の優先順位
住宅設備の選択では、家族の生活スタイルに合わせた優先順位付けが重要です。
高機能な設備は初期費用だけでなく維持費も高額になりがちで、使用頻度の低い設備への投資は無駄になります。
例えば子育て世帯では洗濯量が増え、食事の回数も多いので洗濯設備や食洗機の優先度が高いです。ベランダは初期費用がかかる割に使用頻度が低く、費用対効果が低いです。
設備選びでは生涯コストで考え、家族で優先順位を話し合うことが重要なポイントと言えます。
アフターサービスの確認
住宅の長期維持にはアフターサービスの保証内容の確認が不可欠です。家の経年劣化は避けられません。設備故障のリスクも考慮すべき重要な要素です。
法律では基本構造部分に10年の保証義務がありますが、メーカー独自の保証範囲や定期点検の頻度は会社によって大きく異なります。
24時間対応のサポート窓口や無償点検の回数が重要な比較ポイントです。
アフターサービスの保証内容は家選びの重要基準であり、保証内容の充実が後悔しない選択につながります。
譲れないポイントへのこだわり
注文住宅では譲れないポイントを明確にし、設計や間取りなどにこだわることが満足度を高める鍵となります。
譲れないポイントを設定すると家づくりの全体像が見えやすくなり、完成後の物足りなさを避けることができます。
私は、賃貸時代から大切にしてきた家具を最大限に活かせる空間づくりを譲れないポイントでした。一貫性のあるインテリアの世界観を実現したことで毎日の生活がより充実したものになったのです。
譲れないポイントにこだわることで家はただの建物ではなく、あなた自身のライフスタイルを映し出す場所になります。自分らしさを十分に反映させた空間は、心から満足できるものになります。
まとめ 自分たちのビジョンを明確にもって進めましょう
注文住宅で後悔しないための最大のポイントは、自分たちが何を大切にしたいのかという明確なビジョンを持つことです。
この記事で紹介した10のポイントを参考に優先順位を明確にし、プロの力も借りながら理想の住まいづくりを進めましょう。
事前の準備と情報収集、家族との対話を大切にすることが、マイホームという一生に一度の大きな買い物で後悔しないための鍵となります。
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